私たちの身体は60兆個ともいわれる膨大な数の細胞でできています。この一個一個の細胞を養っているのが血液です。血液が血管をスムーズに流れているときは身体全体に酸素と栄養が充分に行きわたり組織を構成する細胞も活発に働くことができます。逆に血液の流れが悪くなると、酸素と栄養の供給も滞り細胞の働きは鈍くなります。この状態が長く続くと細胞は死んでしまいます。更に心筋梗塞や脳梗塞、高脂血症、動脈硬化等の 「生活習慣病」を引き起こす要因にもなります。 |
イラスト参照:北海道心臓協会HPより
◆「血液の質と流れ」は私たちの健康に大きな影響を与えているのです。
血液の成分:細胞成分(血球)と液体成分(血漿)
血液は体重の約1/13(約8%)を占めています。例えば体重60kgの人の血液総量は5リットル弱です。また血液は細胞成分(血球)と液体成分(血漿)からできています。 |
【血液の細胞成分(血球)】
赤血球には全身の細胞に酸素を届けるという大事な働きがあります。 優れた変形能をもち、液体のようにふるまえる性質があります。 変形することで赤血球より細い毛細血管の中を無理なく通過する事ができます。 しかし何らかの原因で変形能が低下すると、うまく血管を流れる事ができなくなります。 |
白血球はアメーバのような性質を持っていて赤血球と同じく変形しながら血管の中を流れます。赤血球に比べるとその変形能は低く移動速度も遅いのが特徴です。白血球の働きは身体に侵入したウィルスや細菌を攻撃することです。このとき白血球は血管壁に粘着して対象を攻撃します。 この能力を粘着能といいますが、粘着能が高すぎると毛細血管の血流を妨げることになります。 |
血小板の大きさは2〜4μmなので、毛細血管を抵抗なく通過できます。血小板の働きは主に血管の傷口をふさぐことです。ケガなどで血管が破れると血小板は止血のために傷口に集まり塊をつくります。これを血小板の凝集能といいます。血管壁が傷つけられるのは外的要因だけでなく、赤血球や白血球の異常により、内部から傷つけられることもあります。傷が多いほど血管内に血小板の塊が増え、これらが血流を妨げることにもなります。
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*血漿とは血液から血球(赤血球・白血球・血小板)を除いた液体の成分をいいます。血漿は生命維持に欠かせないさまざまな物質を含んだ濃度10%ほどの溶液で、うすい黄色をしています。主成分は多様なタンパク質で、それ以外にナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質、糖、脂肪などを含んでいます。血漿は赤血球や白血球、血小板、栄養分、ホルモン、などを乗せて全身に運びます。戻ってくるときは、細胞や組織で老廃物として生じた尿素、窒素などを受け取り、その処理場の腎臓まで運びます。
また、体内で発生する熱は血漿によって身体の表面まで運ばれ、そこで熱を拡散することで体温調節が行われます。 |
血漿と海水のミネラルバランスはとてもよく似ています。
このことは『生命の起源が海にある』ことを物語っています。
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