和漢堂トップ商品情報健康インフォメーション健康相談コーナー
 

 
眠り
(睡眠)のはなし

 


毎日快適な睡眠がとれてますか?

健康のために快適な睡眠は欠かせないものですが、近年日本人の5人に1人が睡眠に関して何らかの悩みを抱えているとの調査結果もあります。特に中高年以降になるとその割合は高くなり、国民病ともいわれるうつ病との相関関係が極めて高いとも言われます。

なぜ睡眠をとるのでしょうか?

人間はその一生の約1/3の時間を睡眠に費やすといわれています。これは人生80年で計算すると実に約27年間もの時間ということです。なぜそれほど多くの時間を睡眠に使うのでしょうか?
睡眠には私たちが生きていくために不可欠な重大な役割があり、生活の質と深く関わっているのです。

眠りには二種類が存在する

心も身体も健康でいるためには、ノンレム睡眠とレム睡眠の両方の眠りが必要不可欠です。
 
ノンレム睡眠-non rapid eye movemet sleep
深い眠りで脳も身体も休んでいる状態です。細胞を修復する成長ホルモンが多く分泌され、脳の細胞が修復され、脳の疲労を取る重要な働きをしています。

レム睡眠ーrapid eye movement sleep
浅い眠りで身体の筋肉が緩んで休息状態にあり体の疲れが取れます。またこの時、脳では記憶の整理と固定が行われます。記憶の固定ができないと物を覚えることができません。眼球は急速に運動しています。

 

睡眠の役割
睡眠には下記の4つの役割があります。
 
1.脳を休める

睡眠は脳を休めるために必要不可欠な生理現象です。そのため睡眠不足や睡眠の質が悪くなると脳が十分に休まらず「元気が出ない」「イライラ・不安」などの症状が出てきます。逆にやる気が出なかったりダルかったりするのは脳が休息を求めているサインでもあります。             

2.ホルモンを分泌する
成長ホルモンというと成長期だけに必要なホルモンというイメージがありますが、成長ホルモンは骨の形成や身長を伸ばしたり、筋肉を強くして体組織の成長を促す以外にも、疲労回復、脂肪の燃焼、肌や筋肉など細胞の修復や再生など代謝のコントロールも行う重要なホルモンで大人になっても不可欠なものです。

3.免疫力をアップする

寝ている時は副交感神経が優位となりリラックス状態となるため、免疫力が増強します。カゼを引いても十分睡眠をとると早く回復するというのはこのためです。細菌やウィルスなどの病原菌から身を守るために作られる免疫細胞は寝ている時に、より活性化されます。

4.記憶を整理する

一度聞いたり学習したりして得た知識なども繰り返し刺激しないと忘れてしまいます。「知識としての記憶」を長期記憶として脳に定着させる記憶形成にも睡眠が深く関係しています。また、体験して得る自転車の乗り方や楽器の演奏技術の向上などの「手順記憶」の定着にも十分な睡眠は欠かせません。




質の良い睡眠はリズムと深さがポイント!

快適な睡眠は、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が約90分間の周期で4〜5回繰り返されます。この睡眠リズムが乱れ、「深睡眠」が減ったり「中途覚醒」が増えたりすると睡眠の満足度は大きく低下します。
また入眠直後の深睡眠は心身のさまざまな機能の回復や成長を支える「成長ホルモン」の分泌を促します。成長ホルモンの分泌量が低下する中高年にとって深睡眠が重要であることが注目されています。

 
睡眠障害の中で最も多く見られる『不眠症』
不眠症のタイプは下記の4つに分類されます。

■入眠障害:布団に入ってもなかなか眠れず、寝付くまでに30分以上かかる「寝つきが悪い」タイプ

■熟眠障害:睡眠時間を十分とったつもりでも「ぐっすり眠れた」という感覚が得られないタイプ

■中途覚醒:夜中に何度も目が覚めて、その後再度寝付くのが難しいタイプ

■早朝覚醒:朝早いうちから目が覚めて、まだ眠りたいのにそのまま眠れなくなってしまうタイプ

  
睡眠と栄養
脳への栄養補給で自然な眠りを!

眠るためには「睡眠物質」と呼ばれる、眠りを導く物質が脳内に満たされることが必要です。
脳の中で作られる睡眠物質は心地よい自然な眠りを誘います。
その睡眠物質が作られるためには脳への栄養補給が大変重要となります。眠りを導くアデノシンやGABA(ギャバ)などの「睡眠物質」はブドウ糖・アミノ酸を原料とし、亜鉛・セレン・胴・ビタミンB12などのミネラル・ビタミンの働きによって作られます。

栄養バランスの崩れた食事を続けていると脳は栄養不足になり、脳内の睡眠物質は減少し神経伝達能力が低下していきます。

ミネラル・ビタミン・カルシウムを積極的に取り入れ睡眠物質の合成と神経伝達を促したいものです。
 

脳の神経細胞は、
栄養不足になると
脳の働きが低下する。
またカルシウムが不足すると
情報伝達能力が低下する。


過剰な活性酸素を処理して良い眠りを


一日起きていると人の体の中には活性酸素が溜まります。過剰な活性酸素が脳に溜まると、眠るための信号伝達は滞り、良い眠りは得られなくなります。脳の中の過剰な活性酸素を消すことも、良い眠りを得るための重要なポイントです。

睡眠導入剤の眠りは自然な眠りとは違います

5人に1人が睡眠障害といわれる現代、睡眠導入剤を服用している人も多いですね。睡眠導入剤は、なかなか寝付けない人のための寝つきを良くするお薬です。お薬を飲むことで早く寝付くことができ、夜中に目を覚ます回数も減らすことができます。しかし、睡眠導入剤の眠りは自然な眠りとは違い心身の疲れを十分にはとることができません。

睡眠導入剤を飲んで得られた眠りには深い眠りのノンレム睡眠ステージ3・4段階(徐波睡眠)が少なくなります。深い眠りが極端に少なくなると成長ホルモンの分泌も減って、脳と体の修復が進まず疲れがとれないのです。
又レム睡眠が浅くなると、心の整理が不十分となり、嫌なことを忘れることもできず、ストレスが溜まりやすくなります。
この状態が続くと交感神経緊張状態を招くことにもなり心身のバランスが崩れやすくなります。

増加傾向にある「うつ」と「不眠」の深い関係

うつと不眠には深い関係があります。例えば、うつの人の90%は眠りに悩みがあることがわかっています。また、不眠の人は、そうでない人に比べてうつになる可能性が高く、特に高齢者にその傾向が強く見られます。一方で、不眠を改善すると、うつが軽減されることも報告されています。うつの人の眠りの特徴は睡眠時間が短いことと、第1周期のノンレム睡眠(徐波睡眠)も少ないということです。最も深い睡眠(徐波睡眠)が少なくなると、脳を修復してくれる成長ホルモンの分泌量が不足し脳細胞は修復されずその働きが低下し、うつ状態に陥りやすくなります。


 
熟眠度チェックリスト
 
□起きた時に頭がボーッとする

□寝ても疲れが取れない

□昼間眠気がおそってくる

□熟睡できない又は夢を見る

□無呼吸や口呼吸になる

□副鼻腔炎や後鼻漏がある

□体がシャキッとしない

□ストレスや心配事がある

□気持ちの切替が苦手だ

□冷え性・低体温である

□集中力が続かない

□緑茶、コーヒー、喫煙の習慣がある

□睡眠薬を服用している

□向精神薬を服用している

□体を動かすのが億劫だ

 
【判定】
チェックが多いほどリスクが高くなります。
チェックが1個でも減るように意識しましょう!

 
良い眠りを得るための生活上の工夫

■バランスの取れた食事を取る

■就寝の2〜3時間前までに食事を済ませる

■就寝前のカフェインやアルコールは控える。

■温かい白湯やハーブティーを利用する。

■ぬる目のお風呂(38-40度)でリラックス

■寝る前に軽いストレッチを行う

■就寝前のテレビ、パソコン、スマホを控える

■就寝時仰向けの状態で腹式呼吸

■出来る限り部屋を暗く、静かにする

■朝起きたら光をしっかり浴びて脳をおこす

■早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる。

■昼寝をするなら、15〜20分が適当
 



くすりの和漢堂 〒862-0903 熊本県熊本市東区若葉2−7−8    п@096-369-0785 Fax 096-369-8910

2016.03.03更新