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我慢したおならはどこへ行く

 

そもそも腸内ガスの源は、まず空気である。ヒトは日常生活で喋ったり、食べたりする前に、唾液と一緒にかなりの量の空気を飲み込んでいる。これが食道・胃を通って大腸に達する。
一方大腸には約100種類、1兆個もの細菌が住みついていると言われている。この腸内細菌を仮に 大きく2種類に分類すると、ヒトにとって有用な善玉菌と、有害な悪玉菌ということになろうか。

善玉菌は、ヒトに住居を提供してもらっている謝礼として、腸内に存在するさまざまな物質を、ヒト が自分では合成できないビタミンB12をはじめとする種々のビタミン類や蛋白質に合成して、家賃として家主に利用してもらっている。また家主が間違って食べてしまった病原菌、すなわちコレラ菌、赤痢菌、チフス菌や最近スターになったO−157などの病原菌に立向かって、病原菌類が増殖したり、住みつけないように防衛してくれる。また有害な化学物質を無害な物質に変えてしまった、ヒトの免疫機能を刺激して抵抗力を高めてくれることも知られている。一方悪玉菌は前述のコレラ菌、赤痢菌など通常は腸内には存在しない菌のほか、ゲリラのようにヒトが健康な時はじっと静かに潜んでいて、家主に弱点が出るのを待っている菌もいる。例えば家主が老化してきたとか、抗生物質や副腎皮質ホルモン剤、抗癌剤、免疫抑制剤などを使用したり、放射線治療やストレスなどによる抵抗力の低下をじっと待っていて、この様な機会があると急に病原性を発揮する悪い奴である。これを日和見感染というが、生命にかかわる病気につながることもあるので油断できない。さらに腸内有害菌は腐敗産物(アンモニア、硫化水素、インドール、その他)、細菌毒素、発癌物質なども生産するのだからとんでもない奴らだ。

さて悪玉菌をやっつけるにはどうしたらいいのだろう。抗生物質で全滅したらいいという発想がまず思いつくが、これは薬の副作用や耐性菌など難しい問題が山ほどある。現在なんの症状もなく健康と考えてよい場合は、まず善玉菌を増やしておくのがいちばん得策である。善玉菌を口から飲む方法もあろうが胃酸でほとんどが処分されてしまう。最も安全な方法は、誰もが少しは持っている善玉菌の好物を食べて、善玉菌の数を増やしておくとよい。善玉菌の代表格のビフィズス菌の好物はオリゴ糖類(フラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖)である。但し一度にたくさん摂ると軟便になったり下痢したりするので、過ぎたるは何とかである。ところで我慢したオナラの話だが、腸内ガスは腸粘膜から血液に溶けこんで尿や肺から外へ排出される。とは言ってもあまり我慢はよくないが、満員電車内では我慢してほしいものだ。

昔の人いわく、「火事とオナラは元からさわぐ。」お後がよろしいようで。

オムロン 健康作り講座より OMRON ライフ クリエイト サロン KAZ(カズ) 顧問ドクター

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2003年6月更新