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活性化された脳でありつづけるために

現在わが国では、世界に類を見ない速さで高齢化が進行し、人口の4分の1が65歳以上の方で占める時代へと向かいつつあります。誰しも訪れる老化現象は肉体的にはもちろん、精神的にも現れます。
いつまでも活性化された脳でありつづけ、円熟した人生が送れる為にも、痴呆の正しい理解とそうならないための予防法、あるいは周囲にそのような症状の方がいた場合の改善や介護の話は、今後に役立てられるものです。

痴呆の正しい理解

其の1 老化と痴呆は同一ではない
高齢になると生理的老化が起こり記銘・記憶力が低下(老年性記憶障害)することはよく見られますが、病的ではありません。痴呆とは、記憶および知能の障害と人格障害が起こった状態をいい、65歳以上の人口の7%にみられます。症状としては記憶力の低下、見当識の障害や理解力、判断力の低下があらわれ、社会生活や仕事に支障をきたす状態をいいます。

    老化による生理的物忘れの特徴
    ・非進行性である
    ・体験の一部分を忘れる(今朝何を食べたか忘れる)
    ・忘れたことを本人が自覚している
    ・社会生活に支障がない

    痴呆による物忘れの特徴
    ・急速な進行性がある
    ・体験したことそのものを忘れる(今朝食事したことを忘れる)
    ・忘れたことを本人が自覚していない
    ・社会生活に支障がある


其の2 痴呆の原因と症状
老年期の痴呆の原因の殆どは、脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆の2つに分けられます。
  ●脳血管性痴呆
脳出血や脳梗塞等の脳血管障害によって発症する。男性に多く、痴呆症状がまだらである。神経症状を伴うことが多く、感情が変わりやすい。進行は段階的である。ときに夜間せん妄がみられる(幻覚、興奮)。

  ●アルツハイマー型痴呆
脳の変性疾患であり、遺伝性のものも知られているが、殆どは散発性に発症する。50歳代で発症するアルツハイマー病と65歳以降で発症するアルツハイマー型老年痴呆に分けられる。ともに病気の進行は速い。症状として落ち着きがなく動きまわる。前屈の姿勢で動き回る。
「歩く」を「アル アル アル……」のように言う。(語感代発言)


其の3 痴呆にならないための予防

●痴呆になりやすい危険因子(1300人の調査による)のうち可能なものは取り除く努力をしましょう。  

脳血管性痴呆の危険因子:高年齢、高血圧、飲酒(3合/日以上)、食塩過剰摂取、喫煙(20本/日以上)
アルツハイマー型痴呆の危険因子:高年齢、低血圧(120/70mmhg以下)、日常生活の不活発度

   ●脳を活性化させる食物を摂る

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれる魚を多く取るようにする。DHAは脳の脂質の10%を占め、頭がよくなる。また、EPAは脳血管性痴呆を予防する。
レシチンが多く含まれる豆腐を含む大豆類、あるいは卵をとる。細胞の代謝に重要な役目をはたし、記憶力、学習能力を向上させる。
納豆は血栓の形勢を予防し、老人性痴呆を予防する。
小豆はサポニンという成分の利尿作用によって、体内水分調整をよくし、思考力、集中力を向上させる。


其の4 痴呆者への対応
○感情面での起伏が大きいので、常に温かい態度で接する。
○見知らぬ人に警戒感を持つようになるので、顔見知りとなる様に接する。
○妄想、幻覚を訴えるときは、相手のいうことをよく理解する。
○間違った行動を取ったときでも理屈で対応しない。
○孤独にさせない。
○脳に刺激を与える。(適度な運動や学習)


其の5 痴呆性老人の相談窓口と診断・治療・ケアの流れ

相談窓口(病院、市町村による保健・医療・福祉サービス)

中核機関(老人性痴呆疾患センター)

各種施設、福祉サービス、医療サービス

近年は高齢化社会および核家族化が進み、介護者の不在あるいは介護者自身の高齢化が大きな問題となっているのが現状です。
今後は、行政および民間企業による痴呆患者への社会的な支援体制が望まれるところです。


オムロン健康作り講座より   OMRON ライフ クリエイト サロン KAZ(カズ) 顧問ドクター

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2003年6月更新