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熟成ニンニク抽出液について
(AGE:Aged Garlic Extract)

■ニンニク抽出液に動脈硬化抑制効果
■熟成ニンニク抽出液のヒトにおける心臓疾患のリスクファクター低減の可能性について発表

ニンニク抽出液に動脈硬化抑制効果

毎日新聞 2003年(平成15年)3月1日土曜日 第一面に掲載。


「UCLAとワクナガ・オブ・アメリカが、臨床研究の成果として熟成ニンニク抽出液のヒトにおける心臓疾患のリスクファクター低減の可能性について発表」

 弊社米国子会社ワクナガ・オブ・アメリカ(Wakunaga of America Co., Ltd. 本社:カリフォルニア州、社長:中村健郎)は現地時間2月28日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校との共同研究の成果として、熟成ニンニク抽出液がヒトにおいて心臓疾患のリスクファクターを低減する効果を有することを明らかにしたと発表しました。

 臨床試験は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のハーバー−UCLAメディカルセンターで実施され、心臓冠動脈のバイパス手術を受けた19名の患者を対象として、1年間にわたる二重盲検・無作為抽出臨床試験により得られたものです。熟成ニンニク抽出液の投与により、動脈硬化の初期病変であるプラーク(粥状動脈硬化病変)の形成が抑制されるとともに心臓発作の主要な危険因子である血中ホモシステインのレベルを低下させる傾向が認められました。また、血中LDL(悪玉コレステロール)濃度の減少とHDL(善玉コレステロール)濃度の増加傾向も認められています。

 この臨床試験の中心的な研究者であるマシュー・ブードフ博士は、「小規模の臨床試験にもかかわらず、熟成ニンニク抽出液が冠動脈のプラーク形成の進行速度を遅らせることをはっきりと示しており、心血管疾患のリスクの高い人や心臓手術を受けた人にとって有用かつ有益なサプリメントとなることを示唆しています。」と述べています。

 本件は米国(ニューヨーク)において現地時間2月28日にUCLAとワクナガ・オブ・アメリカによりプレスリリースされております。また、臨床試験の詳細は、4月11日〜15日、サンディエゴで開催されるExperimental Biology 2003で発表される予定になっています。


〈参考〉 プレスリリースの内容に関連する情報

1.今回の臨床試験の背景

 ●熟成ニンニク抽出液(AGE)がコレステロール低下作用、抗LDL酸化作用、血小板凝集抑制作用などの薬理作用を有することが数多くの前臨床試験や臨床試験により確認されており、動脈硬化の予防や進展を抑制する効果が期待されていました[ニンニクの科学 齋藤洋監修 朝倉書店(2000)]。

 ●オーストラリア、クイーンズ大学のキャンベル(Campbell)らの実験的動脈硬化モデルを用いた動物実験により、AGEの動脈硬化予防効果が確認されています。この実験では、バルーンカテーテルによりウサギの右頚動脈内皮に障害を惹起し、コレステロール付加食を与えることにより動脈硬化モデルを作成し、AGEの効果が検討されています。その結果、AGEは胸部大動脈の脂肪斑の沈着面積を対照群に比較して64%減少させ、大動脈弓のコレステロールレベルを20%減少させること、更に、障害を与えた右頚動脈内膜の肥厚を50%程度抑制することが明らかにされました。作用メカニズムの検討も行われ、AGEが血管平滑筋の収縮型から増殖型への変換過程を阻害する事実から、平滑筋の増殖抑制による内膜の肥厚抑制が作用機序と考えられています。

2.熟成ニンニク抽出液

熟成ニンニク抽出液(AGE:Aged Garlic Extract)」は、独自の技術により生ニンニクを長期間抽出・熟成して作られます。AGEには、
@水溶性イオウ化合物を豊富に含んでいる
A長期間の抽出・熟成過程で生成する新規生理活性成分を含む
B揮発性イオウ化合物含量が低いため、ニンニクに特有のにおいがほとんどない等、
他のニンニク素材にはない特徴があります。


 ●AGE中の代表的な水溶性イオウ化合物としては
S-アリルシステイン(SAC)、
S-アリルメルカプトシステイン(SAMC)、
γ-グルタミル-S-アリルシステイン(G-SAC)等があり、
特有のニンニク臭の元である揮発性イオウ化合物のジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジメチルジスルフィド等のスルフィド類は、微量含まれているだけです。
この他、熟成中に生成する生理活性成分として、フルクトシルアルギニンやカルボリン誘導体などが含まれています。

3.プラーク(粥状動脈硬化病変)

 プラークとは “時局性の斑状病変”のことで、粥腫とも呼ばれます。広くは粥状動脈硬化巣の全てを指し、動脈硬化初期病変として観察される脂質に乏しく細胞繊維成分に富む繊維性硬化巣および極めて脂質に富むアテロームなど、多彩な病変を含んでいます。

4.ホモシステイン

 ホモシステインは必須アミノ酸であるメチオニンの代謝産物であり、含硫アミノ酸のひとつです。遺伝病である高ホモシステイン血症患者の解析や種々の疫学調査の結果から、血中ホモシステイン濃度の上昇が動脈硬化疾患の独立した危険因子であることが明らかになっています。
     
【 当社のニンニク関連研究 】

ニンニク栽培研究から臨床試験まで幅広い研究を行い、自社研究やNIH(National Institute of Health)、NCI(National Cancer Institute)をはじめとする国外研究機関、東京大学、国立がん研究所などの国内研究機関との共同研究を通じて350を超える研究・論文発表を行っています。

また、世界の代表的ニンニク研究者を招聘して、過去3回の国際ニンニク会議(ワシントンD.C.:1990年、ワシントンD.C.:1994年、ニューポートビーチ:1998年)を開催しています。

2000年には、世界のニンニク研究を網羅した我が国初めてのニンニクの科学書である「ニンニクの科学」を朝倉書店より上梓しています
*湧永製薬の熟成ニンニクのぺージより抜粋