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糖尿病について


私達の祖先は約一万三千年前に農耕を始めたと言われています。農耕により飢餓を克服できるようになった一方で、狩猟生活を送っていた頃には考えられなかった「糖尿病」という病に悩まされることになりました。
日本人は特に糖尿病にかかりやすい体質であることも分かってきました。血液中の糖を細胞に取り込む働きを持つホルモン=インスリンを分泌する膵臓の能力が欧米人に比べ低いのです。原因は縄文時代から近代に至るまで、数千年にわたる食生活にあるといわれています。
さらに驚くべきことは、胎児期の栄養状態によって、糖尿病になりやすい体質が作られることも明らかになってきました。日本の若い女性たちの「やせたい」という願望が、将来の糖尿病患者を増加させる恐れも指摘されています。NHKスペシャル 『病の起源 糖尿病』より引用


<糖尿病はどんな病気?>
糖尿病とは血液中のブドウ糖の濃度が慢性的に高くなる病気です。
ブドウ糖は全身の細胞でエネルギー源として使われますが、糖尿病になるとそのブドウ糖が細胞の中に十分取り込まれず、血液中に溢れてしまうのです。
血液の高血糖状態が長く続くとドロドロした酸化した血液となり、その結果全身の血管、神経、臓器に支障を来たし命取りになる場合もあります。
 
<糖尿病にはいくつかのタイプがあります。>

※1型糖尿病
血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが体内で作られないため外からインスリンを補充しなければ血糖値はどんどん上がってしまいます。1型糖尿病では毎日のインスリン注射が絶対必要です。子供の頃に発症することが多い病型ですが中高年にも認められることがあります。

※2型糖尿病
インスリンの出る量が少なくなって起こるものと、インスリンの働きが悪いためにブドウ糖が上手く取り入れられなくなって起こるものがあります。食事・運動・肥満などの生活習慣が関係している場合が多く、日本人の糖尿病の95%以上はこのタイプです。

※遺伝子の異常や他の病気が原因となるもの
非常にまれですが遺伝子の異常、膵臓・肝臓・甲状腺の病気、感染症、免疫の異常など他の病気が原因となり引きおこされる場合、ステロイドホルモンなどの薬剤が原因となる場合もあります。

※妊娠糖尿病
妊娠を契機に発症した糖尿病で新生児に合併症が出ることもあります。

<糖尿病の患者数>
平成19年の国民健康・栄養調査では「糖尿病が強く疑われる人」890万人と「糖尿病の可能性を否定できない人」1320万人を合わせると、全国に2210万人いると推定されます。しかも糖尿病が疑われる人の約4割はほとんど治療を受けていないと考えられています。
又世界の糖尿病人口は2011年現在で約3億6600万人に上り、成人人口の約8.3%が糖尿病とみられており、2030年には約5億5200万人、約9.9%に達すると予測されています。

<糖尿病の三大合併症>
糖尿病が怖いのは糖尿病自体ではなく、合併症による死亡が多いことです。糖尿病を放置していると全身にさまざまなに障害をもたらします。特に障害を受けやすいのは神経と血管を中心とした臓器です。糖尿病の合併症を抑えるには血糖値を十分に下げることが大切です。治療の目標値は、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)という血液検査の値で6.9%未満(NGSP値)が目安になります。(2012年現在)

※糖尿病神経障害
合併症の中で最も早く出てくる症状です。足や手のしびれ、けがややけどの痛みに気付かない等です。そのほか、筋肉の萎縮、筋力の低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常、インポテンツなど、様々な自律神経障害の症状も現れます。

※糖尿病網膜症
網膜は眼底一面に広がっている薄い膜状の組織で、光や色を感じるのに重要なたくさんの神経細胞(視細胞)と、それにつながる神経線維からできています。糖尿病ではこの部分の血管がもろくなり視力が弱まります。中には失明する場合もあり、白内障になる人も多いといわれています。

※糖尿病腎症
尿を作る腎臓の糸球体という部分の毛細血管がもろくなり、だんだん尿を作れなくなります。悪化すると人工透析により尿を作らなければなりません。週に2〜3回、病院などで透析を受けるようになり日常生活に大きな影響を及ぼします。現在人工透析になる原因の1位がこの糖尿病腎症です。


糖尿病のあれこれ

 ※糖尿病リスクチェック

さらにこんな症状は要注意!
・このごろ急に太ってきた・下腹部がかゆい
・食べても食べてもやせる・肌がかゆい、かさつく
・手足がしびれたり、ピリピリする
・とても喉がかわく・視力が落ちた気がする
・食欲がありすぎていくらでも食べられる
・立ちくらみがある・全身がだるい
・おしっこの回数が増えて、量も多い
・甘いものが急にほしくなる
・尿のにおいが気になる
・ちょっとしたやけどや傷の痛みを感じない
・おしっこが出にくく、出ても残った感じがする
・異常に疲れやすい・足がむくむ、重くなる


初期の糖尿病は自覚症状がないのでそのまま日常生活をおくる傾向があります。将来何も起こらなければ良いのですがそうはいきません。ブドウ糖が細胞に取り込まれずに血管内にあふれるということは身体の神経と血管が侵されるということです。その結果全身の血管と神経と臓器に様々な症状が合併症として発生するのです。



<インスリンについて>
◆インスリンの生理作用には、糖代謝だけでなく蛋白代謝や脂質代謝にも関与しています。

◆血糖を下げるホルモンはインスリンだけですが、血糖を上げるホルモンはグルカゴン、成長ホルモン(GH)、アドレナリン、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)などがあります。

◆日本人を含むアジア系の人は欧米人に比べインスリンの量が遺伝的に少なくなっています。長年の食生活の蓄積がDNAに刻まれているのです。飢餓には強いが過食には弱いということです。

◆インスリンが分泌されてもうまく働かないとブドウ糖は細胞に十分とりこまれません。細胞がインスリンに抵抗しインスリンを効きにくくしているのです。インスリン抵抗性は、主に肥満によって起こります。

『低血糖の主な症状』
異常な空腹感、頭痛、めまい、手指の震え、冷や汗が出る、動悸がする、集中力がなくなる、ボーっとする、生あくびが出る、眼の焦点が合わない、考えがまとまらない、おかしな行動を取る、急に腹が立つ
性格の変化、意識がなくなる、昏睡状態
低血糖とは血液中の血糖値が正常な人体活動が妨げられるほど低下したときの状況です。その原因は食物の摂取不足や、血糖値を下げるインスリンの過剰分泌・放出などです。低血糖症は、その多くが糖尿病の患者に発症します。


気になる数値ーHbA1c(ヘモグロビンA1c)
◆血糖コントロールの良し悪しを判断する指標として最も重要視される数値です。
◆ヘモグロビンは赤血球内のたんぱく質の一種で、酸素と結合し全身の細胞に酸素を送る働きをしています。
◆ヘモグロビンは血液中のグルコース(ブドウ糖)と結合しグリコヘモグロビンというものに変わります。
◆HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査はヘモグロビンのうちグリコヘモグロビンにどの位変わっているか、その割合を調べる検査です。
◆グリコヘモグロビンは一度できるとその赤血球が死ぬまで消滅しません。
◆赤血球は約4ヶ月の寿命ですからHbA1c検査はその平均年齢とも言える、過去1〜2ヶ月の血糖コントロール状態を反映したものとなります。

 




米国・カリフォルニア大学のブレスロー教授が、生活習慣と身体的健康度(障害、疾病、症状など)との関係を調査した結果に基づいて提唱されている健康習慣です。
※予防と養生『食事について』
糖尿病の研究の進歩に伴い、食事療法に関する考え方も大きく変わってきています。
以前の糖尿病食は、とにかく尿糖を減らすことに全力が注がれ糖質を極端に制限していましたが、そのような食事療法では糖尿病は改善されませんでした。
現在では「腹七部、八部目」でバランスのとれた栄養素の配分という、いわゆる健康食、長寿食が糖尿病食の主流となってきています。
「食事療法」というと、食べてはいけないものは何か、何を食べればよいのか、という疑問が出てきますが、基本を守れば、原則として食べてはいけない物はありません。また、この食事療法は、糖尿病でない人が生活習慣病を予防し長生きするための健康食として利用しても大変効果的です。

◆上手な栄養補給で糖尿病を改善しましょう!

糖尿病の方(予備軍を含む)は、一般的に糖質・脂質・タンパク質を多く摂りすぎる傾向にあります。
食事療法を行うときには摂取カロリーが過剰にならないようにすることが基本です。
ただ、摂取カロリーばかりに気をとられ食事量を減らすと、ミネラル・ビタミン不足に陥ることがあります。糖尿病患者の栄養調査では、亜鉛・鉄・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが不足している事が報告されています。

※食事療法のポイントとして、ミネラル・ビタミンを豊富に摂取することが重要になります。
<糖尿病の食事療法のポイント>
1. 適切なエネルギー量を摂る
2. 栄養をバランスよく摂る
3. ミネラル・ビタミンを豊富に取る
4. 糖質・脂肪を控える
5. 1日3食必ず摂り、間食をさける
6. 夕食は寝る前3〜4時間前に済ませる




糖分は、脳の活動になくてはならないエネルギー源です。「糖尿病」という病名から「砂糖は天敵」と思いがちです。疲れて頭がボーっとした時に糖分を取るとスッキリします。頭を使えば使うほど糖分が必要になるのです。脳はどの臓器よりも多くのエネルギーを消費しますが、脳が使う栄養素は『ブドウ糖』だけなのです。


亜鉛・セレン・カルシウムなどのミネラル、又ビタミンB2・ビタミンDなどのビタミンは、糖尿病から身体を守る大切な働きをしています。糖尿病の食事療法ではビタミン・ミネラルを豊富にとることを心がけましょう。
■亜鉛はインスリンを繋ぎ止め、すい臓のβ細胞内に貯蔵します。2型糖尿病では亜鉛不足で、せっかく合成されたインスリンが多量かつ容易にβ細胞から流れ出すため、β細胞にインスリンが貯蔵されにくい状態にあります。

■カルシウムは"血糖値上昇"の情報をすい臓に伝えます。カルシウムが不足すると血糖値が高くなったという情報を上手くすい臓に伝えられず、インスリン分泌に支障をきたします。

■セレンは細胞内でインスリンの指令を伝達し血糖値を低下させます。(セレンのインスリン様作用)。セレン不足では血糖が細胞内に取り込まれず、血糖値は下がりません。

■ビタミンB2、C、Eは、抗酸化作用により血管を酸化から守り動脈硬化を予防します。

■ビタミンDはカルシウムの働きを助け骨減少症を予防します。

■ビタミンB6、B12は神経症の症状を軽減します。





運動には次のような効果があります。
・血糖を下げる
・体重が減少する
・筋肉細胞のインスリンに対する感受性が高まり、血糖コントロールが良好になる。
・血圧が低下する
・血液の循環がよくなる
・動脈硬化の進行を予防する
・心臓や肺の機能を高めたり、脳・心臓血管の病気を予防・改善する。
・足腰が強くなり骨量減少や老化を防止する
・ストレスが解消され気分が晴れやかになる
・体力がつき身体の動きが楽になり、日常生活が快適になる


最も効果的な運動は酸素を充分に取り入れて行うエアロビクス(有酸素運動)です。エアロビクスとは「酸素と共に」という意味で、酸素を充分に取り込み、血糖や脂肪を効率よく減少させることを目的とした、リズミカルな全身運動です。具体的にはウォーキング、スロージョギング、踏み台昇降、サイクリング、水泳など、ある程度の強さを持続して行うものです。
多少息切れはするものの、人と話しながら続けられる程度の運動ということもいえます。人と会話ができる程度の運動を15分以上続けると、体の酸素消費量が増え、血糖だけでなく、脂肪もエネルギー源として使うようになるため、血糖を下げると共に血液中の脂肪や体重も減るようになります。


これらの運動を1日に15〜60分、食後1〜2時間以内に、週3〜5回続けるというのが効果的です。食後1〜2時間が最適というのは、血糖値がもっとも高くなる時間帯だからです。運動の効果は翌日くらいまで持続するので、毎日続ける必要はなく、体調や天候の悪いときは休んだり、1日おきにしても結構です。無理して毎日続けるより、長く続けることの方がはるかに重要です。

■五つの元氣とは「内臓」「骨」「血管」「神経」「免疫」の5つの視点から身体をとらえ、それぞれを丈夫にしようというものです。
■神経や内臓は元氣なのに、骨が弱り骨折して動けなくなってしまったら不幸なことです。逆に、身体は元氣なのに脳が老化し認知症になってしまうのもまた悲しいことです。
■高齢化社会を迎え『いきいきわくわく元氣で長生き』の豊かな人生を送るために五つの元氣を高める工夫が必要です。
■五つの元氣を内側から支えるにはAGEや田七、カルシウムやビタミンE、そしてエゾウコギといった素材が活躍します。これらはどんな方にもご利用いただけます。
■今回取り上げた糖尿病でも、さまざまな生活習慣病でも基本は同じです。上手に補っていきたいものです。




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2013.03.05更新