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こり・痛み・冷え・むくみと付き合う方法   

はじめに

肩こりや腰痛、関節痛の原因は、人が2本足で直立歩行するようになったことと深い関係があります。人は約百万年前に4足歩行から2足歩行になったといわれ、現在の人類の発展を生み出す偉大な脳と両腕を獲得しました。
しかし、その大きくなった脳や2本の腕を支えるため、背骨やその周辺の筋肉にも大きな負担を強いる結果になってしまったのです。

肩こりのしくみ

1.なぜ肩こりになるの?

筋肉は骨や関節を包み、収縮と弛緩をくり返して身体を動かします。筋肉は、筋繊維からなる筋繊維束の集まりで、その間には血管が通り、筋肉のポンプ作用が身体全体の血液循環を助けています。
しかし、デスクワークや家事、日常生活などで同じ姿勢や悪い姿勢を長く続けたり、仕事や人間関係などでストレスがたまると、筋肉に過度の緊張を強い、一時的な筋肉疲労や筋肉ポンプ作用の阻害による血行不良をもたらします。
また運動不足や寒さも、一時的な血行不良につながりがちです。
これらが急性の肩こりの原因です。急性の肩こりを起こす原因が蓄積すると、慢性の肩こりに進行します。

2.肩こりのメカニズム

血液の流れがとどこおり酸素が不足してくると、乳酸などの疲労物質が作られ、これが蓄積されます。
すると、筋肉のエネルギー不足も手伝い、だるい、重い、こわばるなどの肩こり特有の症状が現れてきます。
慢性の肩こりの場合は痛みの症状にまで進み、それがさらに筋肉の緊張を助長し血行不良を起こすという悪循環に陥ってしまうのです。


腰痛のしくみ

1.なぜ腰痛になるの?

筋肉は脊椎を安定させ、伸長、弛緩することで身体を動かします。しかし、上半身の動く範囲が広いため、それを担う筋肉には大きな負担がかかります。
立ち仕事・悪い姿勢による筋肉疲労や、運動不足・老化からくる筋力低下により背筋と腹筋のバランスが崩れると、腰椎や一部の筋肉への負担が増し、腰痛の原因となります。
特に腰痛というとつい腰に目が行きがちですが、腹筋の弱まりが原因になることも決して少なくありません。
一方、筋肉の疲労が積み重なり起こる腰痛もあります。立ち仕事、悪い姿勢や同じ姿勢など、筋肉の緊張を長時間強いるような姿勢を続けると、腰の筋肉がこわばり、うっ血して、鈍い痛みを生じる慢性疲労の状態になります。
それに対して、急性の痛みをともなうのがいわゆるギックリ腰で、わかりやすくいえばねんざや肉離れとよく似た現象です。急激な運動をしたときばかりでなく、何でもない日常動作がきっかけになります。
このほか、内臓疾患や精神疾患が原因のもの、妊娠に伴う体型変化や体重増加が原因のものなどがあります。

2.腰痛のメカニズム

なぜ、腰椎や一部の筋肉への負担が原因となるのでしょうか。脊椎は30個以上の椎骨がブロックのように積み重なったもので、椎骨と椎骨の間には椎間板というクッションが挟まっています。
椎間板は、脊椎に加わる衝撃を吸収・緩和するばかりでなく、椎骨の連結役として脊椎の前後左右への屈曲を可能にしています。
椎骨は加齢によりすり減ったり弾力を失い、次第に十分な役目を果たせなくなります。
特に、腰椎への影響は大きく、脊髄神経を圧迫したり刺激し、痛み、しびれなどの腰痛の症状を引き起こします。


関節痛のしくみ

関節は2つまたはそれ以上の骨が動けるように連結したもので、普通、一方の骨は凸部、他方は凹部となり、その端は弾力性のある厚さ数ミリの軟骨でおおわれクッションの役割を果たしています。
凸部と凹部の間には、さらに軟骨性の関節円板または半月が介在することがあり、クッション性をアップしています。
関節全体は外から関節包で包まれ、その内面にある滑液を分泌、吸収しています。

2.なぜ関節痛が起こるの?

前述でご紹介したように、関節を作っている両方の骨に筋肉がつき、その筋肉が関節の安定したスムーズな動きを可能にしています。
しかし、加齢にともない、周辺の筋肉がおとろえると関節では不自然な動きや特定部分への圧力が増加し、関節自身の軟骨もかたくなって弾力を失います。また、関節包の中に分泌される滑液の量も少なくなります。
特に腰痛というとつい腰に目が行きがちですが、腹筋の弱まりが原因になることも決して少なくありません。
このようになると、衝撃を和らげることができなくなり、関節周囲の組織を傷つけたり滑膜に炎症を起こし、関節痛の症状が現れます。無理な動きも同様です。
関節のうちでも特に肩関節と膝関節は、動きの自由度に比例した複雑でデリケートな構造と大きな負担を余儀なくされ、その分、トラブルを起こしやすい関節といえます。


冷え

1.「冷え」って何?

冷え性とは、手や足、腰など身体の数箇所が、他の部分に比べて常に冷たく感じる症状です。
男性に比べて、女性が圧倒的に多く、10代後半以降の女性の半数以上が自分を冷え性だと感じています。

2.なぜ冷えるの?

冷えを感じる身体の部分の皮膚温はたいてい他の部分よりも低くなっており、血流をコントロールする自律神経の失調による血液循環の悪化が原因と考えられています。
女性の20歳前後と更年期に多いことから、ホルモンの影響もあるようです。


むくみ

1.「むくみ」って何?

むくみは体の中でも、特に足と顔に多く表れます。症状としては、なんとなくはれぽったく重いような感じがあり、その部位を指で強く押すとくぼみになって跡が残ります。
1日中立ち仕事をしたり、机に向かい仕事をする女性などの足に特に多く、夕方になると靴が窮屈になったりします。これは静脈のうっ血やリンパのうっ滞のためで、運動不足と大きな関係があります。

2.なぜむくむの?

人の身体は体重の60%が水分で、主に血管、リンパ管、細胞内や組織内に含まれています。
血液は抹消で動脈側の毛細血管から組織間にしみ出し、その組織間液が細胞に酸素や栄養を行きわたらせたのち、再び静脈側の毛細血管やリンパ管に吸収されて還流されます。
しかし、もともと組織間は重力の作用を受けて身体下部にたまる傾向があり、運動不足などにより足にはむくみが生じ易くなります。
むくみは、過労や寝不足、加齢など組織の老化によっても起こりやすくなります。女性では更年期症状の1つとしてあげられ、ホルモンの影響もあるようです。

オムロン 健康作り講座より

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2003年6月更新