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免疫力を向上させれば食中毒も怖くない

梅雨の季節の到来です。それと同時に、湿気が多く気温も上がるこの時期から食中毒の発生率がぐんと高くなってきます。

<食中毒対策は原因菌回避+免疫力の向上>
 食中毒対策としては、下記のような方法がまず挙げられます。
 ・手や髪、からだは常に清潔にしておく
 ・調理は新鮮な食材を用いて十分に加熱する
 ・まな板、たわしなどの調理器具は清潔に保つ
 ・調理後はすぐに食べる

 これらは、食中毒の原因菌との接触を可能な限り回避するための方法です。これらの対策に加えて、食中毒の原因菌が体内に入ってきても、それを阻止できるような丈夫なからだをつくることも大事です。

 同じ菌が同じ量だけ体内に入っても、症状の重い人、軽い人、あるいは症状の出ない人もいます。これは、個人の免疫力の差によるものです。免疫力を向上させれば、たとえ食中毒の原因菌が体内に入ってきても撃退することができるわけです。

<カロテン摂取が免疫力向上への近道>
 免疫力を向上させる近道は食事に気を配ることです。なかでも特に有効な栄養素はカロテン(カロチン)です。カロテンは、ほうれん草、ニラ、グリーンアスパラガス、にんじん、かぼちゃ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に豊富ですので、これらの食品を毎日摂るようにすると良いでしょう。またカロテンは油と一緒に摂ると吸収が良くなります。
 ドレッシングサラダや油炒めなどにしたり、油を使った料理と一緒に摂ると効果的です。

<下痢や腹痛の症状緩和には乳酸菌とオリゴ糖を!>
 腸を丈夫にする乳酸菌やオリゴ糖なども、日頃から摂っておくと食中毒時に起こる下痢、腹痛といった不快症状を最小限に抑えることができます。乳酸菌は、ヨーグルトや乳酸菌飲料に、オリゴ糖はごぼう、たまねぎ、バナナ、大豆などに豊富です。

<発生件数が多いのは細菌性食中毒>
 食中毒は、飲食物や食器類を汚染している有毒物が原因となって起こります。食中毒のタイプはこの有毒物の種類によって3種類に分類されます。
 ・細菌が増殖することによって起こる細菌性食中毒
 ・農薬や水銀などの化学物質による科学性食中毒
 ・キノコやフグなどの毒による自然毒食中毒

 この中でも、最も発生件数が多く全体の9割にも達するのは細菌が原因のもので、病原性大腸菌O-157もこれに属します。このため、一般に食中毒というと細菌性食中毒のことをさす場合が多いようです。

 食中毒の原因菌は、我々の生活環境の中に日常的に住んでおり、ちょっと口にしたくらいでは具合は悪くなりません。問題なのは、それが食品などに付着し温度や湿度などの条件が揃って、猛烈な勢いで増殖した場合です。仲間が増えた細菌はさらに協力しあって、毒素を作り悪さを企てるのです。


 重い場合は死に至ることもある食中毒。特に、偏食や不規則な生活、アルコールの飲みすぎ、喫煙、ストレスなどは免疫力を下げ、食中毒にかかりやすくなります。これらの習慣のある人は、予防のために今日から食生活を中心に生活を見直してみませんか?

オムロン 健康作り講座より     管理栄養士 若杉麻理

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2003年6月更新